さて本日お届けしますのは、レビュー第3弾にして当プログ初めて普通のエロ漫画な、
ハッチ『comic ped.』 SERAPHIM COMICS ヒット出版社 ISBN978-4-89465-417-4 2008/11/21発売
なのですが、
タイトル通りオールペドフィリア(推定高学年なため、当プログではペドではなくロリコン扱い)なランドセル少女オンリーですので、あんまり普通ではないかもですが、ロリが守備範囲な方で、想いが紡ぐドラマとしてのストーリー系エロ漫画ファンな方はぜひチェックしてみてくださいませ。
それ以外の方には目の毒なので読まない方がよろしいかと。
なお、カバーは読み終わってから外してくださいまし。
消し:小白丸消し/中細白線消し
ヒロイン:推定全員ローティーン
お相手:同級生もの1編&兄1編除けばオトナな男性
乳:つるぺた中心で、膨らみかけまで
陰毛:無し
性器形状:基本縦すじ開けばそこそこリアルながら、ちょい雑め
挿入描写:トーンの貼り方が上手い方ではないので質感リアルとまではいかず
カラミの手法:ぶつかり愛中心。半脱ぎもアリ。華奢な少女との体格差を活かした露骨魅せつけ体位も多め。裸同士のぶつかり愛はかなり良好。緊張感はアリ。情緒は良好。せっかくの純愛系は蝉みたいにしがみつくものが欲しかったけど。
フェチ要素:半脱ぎ・放尿・アナル・精飲・お掃除フェラ・父娘・兄妹・膣内オシッコ・巻末作の体操着ブルマも優・眼鏡っ娘2名など。乙女の符号は無し。
性行為の属性:強姦・純愛・肉便器という要素が主ですが、物語の中で属性は逆転したりします。
ハードコア度:★3の中
ぶつかり愛:★4の中
想いのエロース:★4の上
エロ作画力★3の上
エロ作画技法★3の中
エロのコマ展開力★4の中
総合エロ度:★3の上
作画力:★4の下
キャラデの魅力★4の上
心情描写力★5
展開力:★5
漫画力:★4の中
属性:ヒネクレハート・純愛・リスタート
作品評価:93点(★5)
宝物度:神
4冊目の成コミ(通算も4冊目)
兄は妹をイジめるもの(24頁)
シッコを我慢しまくってやっと我が家に辿り着いた妹をホールドする、かな~りヤンチャでアブノな兄という図からはじまる、兄妹賛歌は、ファンタジーに健気な妹の、それでも兄を嫌いになれないキモチをふたりのエロ心にほんわか絡めて、雰囲気抜群のエロ空間を演出したのち、最後はポエムチックからギャグで落として、いったん幕。
妹は兄を求めるもの(24頁)
数年後。そんな兄にもカノジョができて、未練タラタラ欲求不満大爆発の妹は、一足先に分別を身につけてしまった兄に対抗すべく、変わらなきゃと決意し、「アナルだったらなかだししても何の問題もないし」と。あとはもう罪のない子供時代に戻ったように何も考えず、ただ想いの命ずるままにふたりはドロドロに溶けてゆくのでありました。前編部で使ったオチを抜群のファンタジーとして活かしたラスト3頁が、思いっきりシアワセ空間を演出してくれて、ミゴトと言うしかほかにありませんでしたが、「えっなになに?」って、それは読者のお楽しみということで、ぜひうっとりしてくださいませ。
Re Start(76頁)
ワケアリで東京から引っ越してきた少女は、生まれて初めて友達ができて心うきうき気もそぞろ。春風満面で苦労をかけた大好きなパパに抱きついてホロリ。ルンルン気分でみんなで遊びにでかける彼女だったのですが、そこはハッチだからそのまま終わるワケありませんよね。友人達は万引きの常習犯で、折しもそのスーパーにはパパが勤めていて、相手は子供といえわずか一人に多勢に無勢では如何ともし難く、携帯で撮られながら強姦されるパパ。勇気が出せなくて言いなりになる彼女。そして…。さらに大きなドラマを一山つくって、そのまま流れで転がすのが普通なのですが、絶対に読者の思い通りにネタを転がしてくれないところがハッチの凄さ。というか真骨頂。巻末の作品解説に相方のZUKI樹からオチが変だと言われたとありますが、私はこのラストにベタ惚れです。でもハッチのリズムが解らない方にはヘンテコに映るかもですね。アナタノはあとニハナニガノコリマシタカ?
落ちてゆく人(24頁)
上から水風船が落とされるところに居合わせてビショ濡れになる少女の図からはじまる悪意の連鎖。義父から性的虐待を受けるランドセル少女から次々に悪意は伝染してゆき、最初の頁にリフレインするラストシーンまで抜群すぎ。あとは見てのお楽しみということで。
深く深く私は眠る(30頁)
父親との甘やかな禁断の日々の記憶以外すべてを忘却し、意識はあるのにカラダは動かない、傍から見れば植物人間に成り果てた少女の目線で描かれたヒネクレハートな子守歌。ただ天上を見上げるだけの毎日に肉便器であることだけが唯一、生を実感できるという皮肉をこめて、自らの嫉妬が招いた身から出た錆からはじまった物語をまた、嫉妬によって結に繋げたシナリオ構成力も素晴らしいけど、安らかな痛みで括ったラストは著者後書きによれば私のイメージとは逆でしたが、まあ、読み方は自由ですし、好きなように捉えればいいんじゃないかと。
犬猿三人四脚(20頁)
犬猿の仲な男女生徒と、+1な男子生徒によるオバカチックな三人四脚。ラストの大バカ暴走ぶりがオミゴトで座布団三枚ですが、ラスゴマは見開きで大バカさを魅せびらかしてくれてれば十枚でしたね。
さて表紙を見ていただければお気づきの方も多いかと思いますが『オトナへの抵抗』以下の装丁まで完璧に『comic ino.』まんまです。皮肉にも雑誌の方は消滅してしまうのですが、ともあれタイトルとサブタイトルが著者の作風をそのままを表してくれてるので、細かいことは抜きにさせていただきます。
エロ作画的なことを言わせてもらうなら、挿入部の稜線の描き方がワリと粗いのとトーン貼りの妙を身につけてないことで、もう一歩のところで超エロエロになり損ねてる部分と、断面図のヘタさだけがちょい惜しくて、ハードコア技法的なものは若干まだ物足りなくもあるものの、たっぷりのフェチっ気と、エロへの踏み込みの強さと肉体同士のぶつかり愛と、すこぶる良好な展開力で、充分抜きツールとしても堪能できるレベルですが、シリアスもコメディーも絶妙な黒さで味付けた、想いのドラマで紡がれる抜群のストーリーテーリングこそが持ち味なので、決してエロ濃度だけでお薦めしたくはない作家様というのが本音です。
この作品集のほとんどは純粋な想いの成分で構成されています。だからこそ、そこには理想的という意味でのファンタジー性を黒く塗り込めるレベルの負のオーラが漂いまくっているワケですが、人のもつ邪な想いまで含めたところでの人間愛が形づくるドラマとして、あたりまえだけど人間は神様じゃないよ、ということをつくづく実感させてくれる一冊でした。
にしても今回は、ハッチとは思えないほどステキなオトナ(紳士とかいう意味ではございません)も登場してくれたのが、個人的にはとても感慨深かったです。
昔に比べると鬱成分は大幅に減少してるとはいえ、ズキはきっちり装備してますので苦手な方はご用心。
人の感情が紡ぎ出すドラマが超ステキですが、ドラマを際だたせる物語の妙こそをストーリー系エロ漫画ファンの方にはぜひ堪能していただきたい、稀代のヒネクレハートブレイカー発第4弾。
なお、この作品集が気に入った方はぜひとも残り3冊もゲットしてみて欲しいです。特に2冊目『スキャンダラスガール』は、痛み成分も鬱成分もてんこ盛りだけど、それがネックにならない方へなら滅茶お薦めだっりもするのです。
さすがに今回は全作品超大好きなのですが、あえて挙げるなら『落ちてゆく人』と『Re Start』が最愛。
エロ度★5レベルの特濃なヤツも無論ステキなんですが、こういう成年漫画に巡り逢いたいからこそ、片っ端から読み漁ってるのかもしれませんね。
裸と裸で男と女が奏で合う人間ドラマをぜひご賞味くださいまし。
関連:
ハッチ「comic ped.」 by 酒とエロ漫画の日々。
ハッチ『comic ped.』 by ヘドバンしながらエロ漫画!
theme : 成年コミック・マンガ
genre : アダルト