実を言えば笑花為の『粘着体質』が滅茶エロステーキだったのでレビューしようと思ってたのですが、感動のあまり急遽差し替え。エロこそを期待されてた方には今回もまた誠に申し訳ないのですが、そちらは
へどばん殿下のところで拝んでいただくとして、そんなワケで、レビュー第2弾は
神寺千寿『パラボラ』 WANIMAGAZINE COMICS ワニマガジン社 ISBN4-89829-902-4 2001年9月7日発売
ということに相成りましたが、第1弾がエロ度★0のグロ漫画で、第2弾がエロ度★1の全年齢向けエロ漫画ってのも、誠に私らしい選択だと思いますが(爆)
当然ここはアダルトサイトなワケで、全年齢向けのエロ漫画だとろう大人基準での評価しか致しません。
そんなワケで、抜き易さ最優先でエロ本的ツールとしてのエロ漫画のみを強く求める方へは、少なくとも著者の近作をゲットした方が百倍よろしいですので、そうでない方のみ、ぜひ続きも読んでみてくださいまし。
消し:シルエット/大白丸消し/モザイク消し
ヒロイン:推定ローティーン3名・ミドルティーン3名・ハイミドル2名・大人2名
お相手:同年齢数名以外ほぼ年上系で統一
乳:疑似少女1名のみつるぺたで、ほかは並乳からやや貧乳に近い並乳まで
陰毛:無し
性器形状:不明
挿入描写:イメージレベルがほとんど
カラミの手法:萌えエロ手法とイメージレベルのエロゲー手法の混合
ハードコア度:★1の下
ぶつかり愛:★1の中
想いのエロース:★4の下
エロ作画力:★2の上
エロ作画技法:★1の上
エロのコマ展開力:★2の上
総合エロ度:★1の上
作画力:★4の上
キャラデの魅力:★5
心情描写力:★5
漫画展開力:★4の上
漫画のコマ展開力:★5
総合漫画力:★4の上
属性:ズキキュン・リアルズキズキ・死に至る病
作品評価:89点(★4の特上)
宝物度:神
処女単行本(成年マーク無し)
『momo』(22頁)
ブルジョアのための、お好みの少女との夢一夜のためにつくられた隠れ家『モモ』。そんな娼館に借金のカタとして連れてこられた少女は今日も今日とて売れ残り、また何処かに売られちゃうんじゃないかと自分の不美人を儚んで、ため息をつくのでしたが。これは、そんな、傍目で可愛く改造されてゆく仲間たちをちょっぴり羨みながら、ときに悔し涙を流したりもしてみる、自分に自信がなさすぎ少女の、不安と、精一杯女の子であろうとするキモチを描いた物語です。サチは名前通り幸せを見つけられたのでしょうか? それは観てのお楽しみ。
『桃とデジタル』(22頁)
缶ジュース一本から大型家電まで何でも配達してくれるエクスプレスドール(セクサロイド)は、トビキリの笑顔を魅せつけて、「他に何かお申しつけはございますか?」と、マニュアル通りの謳い文句で寂しい男たちに愛も運んでくれるのだったチャンチャン♪ で、終わっていればトビキリハッピーな物語なのですが、この物語には続きがあります。ロボットに芽生える感情をテーマにしたエロ漫画って、幻想譚の定番中の定番で、昔は溢れかえってた気がするけど、最近はめっきり減ってしまいましたね。ともあれ数あるロボット系エロ漫画の中でも個人的になら十指に数えられるほど大好きな、痛み成分満載のハードズキキュン物語をとくとご覧あれ。
増子二郎のポストガールとか海野螢とか好きな方にはぜひ読んで欲しいかも。
『カモク・ハカナク』(20頁)
母を壊された腹いせに義妹を玩具にする青少年。そして言葉を失った少女が住まう療養所にミルクを届けにゆく牧場の青年。言葉を失って久しい少女の叫び。ははたして叫びは胸に届いても、もう止まらない青少年のリビドー。真っ正面からストレートに痛みを奏で合うふたりの、セツナクも儚いスレチガイのバラード。ミンナデ泣キマショウ。
回輪鬼畜のきれいな雨とか好きな方はぜひ。
『愛でたいあのコ』(20頁)
ロリコンストーカー青年とお茶目なご近所少女の、最果て悪ノリメルヘン。箸休めとして抜群です。ここで一息ついておかないと後が大変ですから。
『ただ秘めよ』(20頁)~『りりしいひと』(20頁)
『初めて赤いものを見た時は この世の終わりのような気がした』
そんな少女にもやがてあたりまえのように男がデキ、あたりまえのように女になってゆく。
『バスはせいぜい一時間に一本 小さな町での限られた友達 いやおうなしにクサレ縁で 性格なんか知りつくして 場をとりつくろう必要もない』
『男ってすぐに ヤるとか ヤらないとか』
そうつぶやいた女の子は、だから女の子してみたくもなる。
そして…
ヒネクレハートな女生徒の青春謳歌と思春期のグルグルの二重奏
アナタノはあとニハナニガノコリマシタカ
桜庭一樹の砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけないとか好きな方はぜひ。
『くものいと』(20頁)(※エロシーン無し)
結婚カウントダウンなのに、真の愛に目覚めて宗教に逃げ出してしまったカレシを必至に取り戻そうとするカノジョの、不協和音な想いの行方。あるいは疑似恋愛の虚しさを謳った釈迦の説法。痛い成分と黒い成分にほどよくブレンドされたシュールが心地よく、こういう漫画がとても大好きな私。それにしてもこの方はラストの1頁がいつも抜群に上手すぎる。エロシーン無しですが、滅茶苦茶大好きです。
『I don't drink milk any more.』(22頁)
妄執に取り憑かれた娘の崩壊しても尚終わらない出口の無い狂気。あるいは、永遠に理解し得ない他人という名の別生物に対する考察。もしくは、普通に、ダメ女とダメ男の掃き溜めブルースとして読んでもかまわないだろうし。でもこの乾いた女性的感性があまりにもセンシティブで、オシャレで、ストロヴァヤとか片手にオードブルをやっつけながら欧系昔名画の感覚で楽しむのが吉かも。たぶんこの作品って、読み手によって感じ方が大いに異なるはず。そのくらい読むたびに印象が違うし。
『ガラス』(22頁)
刹那のために覚悟を決めた娘と、宝物を手放した青年の、ザ・ラストワルツ。まあ、最良の方法がつねに最善とは限らないワケで、ある意味、最悪なんだけど、本当にこれでよかったのかもしれないと思ってしまうときもあります。『I don't drink milk any more.』もそうなんだけど、この作品も、現在方面の全身全霊で著者が焼き直したらどんな作品ができあがるのか、まあ実現は不可能なんだろうけど、常々そんなことばかり考えてしまう私。
『新妻ベイベ』(16頁)
ハネムーンから帰ってきたら妻がミニサイズになっちゃったという、普通にキュン系エロコメ。
著者にしては思いっきり凡庸な巻末作を除けば、どの作品もシリアスな、様々な『想い』の成分に満ち溢れてて素晴らしすぎ。
紡がれたドラマもみなステキすぎ。
胸を切り裂く黒さと、作品を彩るドライでオシャレな感覚の融合もまたミゴト。
この絵柄でこれをやったからこそ価値があるとおもうのですがどうでしょう?
局部方面だけはちょっぴり描き込み作業していただいて、いつの日かA5の黄色い楕円付きで復刻されることを夢見て。
以下、トモハルと安藤クンに捧げるうた
『ドクダミの花』
雨の日は憂鬱
そんなお約束があるから憂鬱になってきたりもする
せっかく楽しみにしてた日が朝から雨降りだと なんだかブルーになっちゃうこととか
じめじめとした やるせない想いが わだかまってしまったり
あたりまえのように昔から お互いを知りすぎてて だからこそ自分を吐き出してしまったり
傷つけて 傷ついて
後悔のグルグルに苛まれて
情けなくて生き埋めになりたくても
なお
決して失ってはいけないたからものだから
だから
だから歩み寄る
たぶん ほんとうに ほんのちょっとのタッチの差で 失ってしまう想いと 絶対に失えない想いが 分かれてゆく
聞き飽きた毒舌が心地よく胸を撫でて
気づけば 雨の日も心地よい
献呈:このレビューを書くためのエネルギーを与えてくれた永遠なる思春期乙女漫画スキー
ササナミ姫様に感謝を込めて。
ひくくどべるならまだマシ。でもあるけなくなったとしてもふたたびとべるようにならないわけではなし。
さて、一概には言えないけど『自分のひと言が誰かを苦しめちゃったんじゃないか』とか、過去一度も思ったことのない方には、あまりお薦めできない類の作品だと思います。
ともあれ、大好きな作品を語れるってことは、私にとって、とてもとてもシアワセなこと。
でもって、あとは拍手コメントへのお礼とかなので以下に収納
>あわじ様
こちらこそ素晴らしい作品を感謝です。またステキな純愛ドラマとかも描いてくださいませ♪
>ゆみこ様
ドクダミな花束ご馳走さまです。せめて1冊出すまではめげずに突き進んでくださいませ♪
>dan様
いちおう非公開コメントいただいたレビューの方にもレスいたしましたが、こちらにも書いておきますね。
昔読んだ漫画を捨ててしまってもう一度読みたいと思っているんですけど、題名も作者も分からないので探しようがなくなってしまいました・・・。できるのならお力をお借りしたいです。→私一人の力ではお役に立てるかどうかわかりませんが、掲示板(
閉暗所同好会)の方にぜひどのような作品なのかカキコしてくださいませ。知ってるよという方から返事がくるかもですよ。成コミファンな方の談話室的に使っていただくために設置した部屋なので、ぜひお気楽にご利用くださいまし。
コメント無しの方方も、心よりありがとうございました。
今日は、というか本当は昨日は、なんですが、笑花為の『粘着体質』をマジでやろうと思ってたのが心に薔薇が突き刺さっちゃったので急遽差し替え。ササナミ姫様の新たな『パラボラ』回想録もいつか拝めるんじゃないかと楽しみにしております。
まあ、こっちの方が私らしいと思いますし。
でもここ2週間だけで、タイプは大いに異なるとはいえ滅茶エロステーキなのが私のリビドーに4連発突き刺さりましてCuvieの『したいからスルの』・黒龍眼の『淫脚』・天乃 一水『欲情×覚醒』ですが。
そちらは、
へどばん殿下んちやら
Госплан宮殿などで拝んでいただくとして、師走の翁はまたも発売延期になりましたが、ハッチが素晴らしかったので明日やりたいです。
本日購入の成コミは、砂川多良・ここのき奈緒・冴草こはく・MAC-V・ハッチ
ハッチは電車の中で読みましたが何か
では皆様ご機嫌よう♪
theme : 成年コミック・マンガ
genre : アダルト