というタイトル通りに『雨がっぱ少女群』をお届けします。
推定8~13歳くらいのペドからロリまでとり揃えておりますがゆえ、もうこれだけで引いた方は右に回ってくださいまし。
また、元来、著者の作風は、根本的にフェチっ気の極めて少ないオーソドックスタイプのリアルロリコン御用達系でございますがゆえ、少女萌え主義一直線な皆様や、エロエロ少女原理主義な皆様には目の毒かと思われますので、やはり右に回った方が無難かと。ただし2冊目ではフェチ&萌えという要素が急激に増大いたしますので、いちおう頭に入れておいていただければと。
さらに言えば、『雨がっぱ少女群』は、やさしいファンタジーとしてのロリコン御用達系と言うにはリアル痛み成分の配合率もけっこう高めございますがゆえ、読み手のロリコン純度が高ければ高いほど美味しくいただけるという寸法になっております。
多くの作品は漫画として精緻に造り込まれてます。
『みかんR』みたいな痛み成分満載とかいうほどのリアル配合率ではございませんが、リアルも適度に鬩ぎ合ってますので、リアルロリコン系が苦手な方なら特に1冊目は注意です。
情景描写の造り込みが素晴らしく、そこに少女の心情の移ろいを投影させてゆく手法に長けた作家性を有しております。
また、漫画力に優れ、『少女を中心として動いてる世界』としての完成度は、ある意味『あしか』や『町田ひらく』や『海野螢』に、匹敵する凄さを、初っ端から身につけています。
そして、ステキすぎる感受性に充ち満ちているのです。
作風的にはどちらかというと、いちばん近いところでは『雨蘭』が思い当たる程度です。
その凄まじきリアリティーゆえ少女エロースの極みにある『みかんR』ほどの淫靡さはありませんが、適度にハードコアな官能を垂れ流す作画法です。
ハードコアという点でもフェチという点でも『EB110SS』レベルには遠く及びませんが、作劇がもたらすところのカタストロフィーにより、高純度なエロ還元力としての破壊度は秘めています。
1冊目では基本的にフェチ成分皆無のオーソドックスタイプのセックスが繰り広げられますが、
想いのドラマを創りあげるために、メタファーとしてのファンタジー的刷り替えが多々利用されることもあります。
読み手のロリコン純度が高いほど楽しめ、想いのドラマとしての漫画が好みなほどのめり込めるような、ようするに、そんな作風です。
はたして2冊目では、オーソドックスタイプのロリコン主義から少女フェチ萌え派への転換期に当たり、萌えロリ的に描かれた作品も多く、フェチっ気も大胆に採り入れるのですが、だからといってノー文句で萌えロリファンの方にお薦めできる類の単行本なのかといえば、相当に黒い成分も含有していることだけは紛れもない事実なので、無問題とは決して言い切れない、そんな作家様です。
漫画技法に卓越したものがある作家様です。
心情描写を絵に織り込む手法に卓越したものがある作家様です。
でも雨がっぱ少女群の本当の意味での素晴らしさは、言葉に言い表しようのないところにある、何かです。
上述の内容で問題ない方のみ続きも読んでみてくださいまし。
それ以外の方には目の毒なので読まない方がよろしいかと。
偉大なる伝説への幕開け。あるいは青の時代。雨がっぱ少女群『小指でかきまぜて』 TENMA COMICS LO 茜新社 ISBN978-4-87182-957-1 2007年11月30日発売
消し:透過度80%程度の中細網線消し中心。
ヒロイン:幼女から少女まで。
お相手:全員オトナ(兄1名・父1名含む)
乳:つるぺたから貧乳まで。
陰毛:無し
性器形状:男女ともにリアル。
挿入描写:水準程度。
射精形態:口内1シーン除けばオール膣内。
カラミの手法:萌えエロ手法とぶつかり愛で6:4くらいのオーソドックスタイプで、男性陣はチャック開けるだけ・ズボンは下ろす・裸ん坊で3分割。兄妹純愛の全裸同士は滅茶ステキなんだけど、父子純愛のチャック開けるだけは何とかして欲しかったですが。
萌フェチ:半脱ぎ・三つ編み・ランドセル・ローソックス・コドモパンツ・シュミーズ・ぬいぐるみなど、まさに純ロリコン仕立て。眼鏡っ娘1名。衣装やアクセのさり気ない気配りによるコドモっぽさの演出が抜群に光ります。
軽フェチ:フェラチオシーンとかもあることはあるけどフェチっ気はほとんど感じられない、所謂、ノーマルセックス。
濃フェチ:リアリティーのある少女姦ということ自体がそも濃フェチであろうかと。
高次元フェチ:父娘・兄妹
性行為の属性:オーソドックスタイプのロリコン
乙女の符号:3名
ハードコア度:★3の中
ぶつかり愛:★4の中
想いのエロース:★4の中
エロ作画力:★4の中
エロ作画技法:★3の中
エロのコマ展開力:★4の中
総合エロ度:★3の上
作画力:★5
キャラデの魅力:★5
心情描写力:★5
漫画展開力:★5
漫画のコマ展開力:★5
総合漫画力:★5
属性:あるときはメタファーで あるときはリアルで 紡がれる 徹頭徹尾ロリータコンプレックス
作品評価:92点(★5)
宝物度:宇宙
1冊目の成コミ(通算も1冊目)
『休日のすごし方』(描き下ろしカラー4頁)
一刻も早くネズミーランドへお出かけしたくて寝坊助なパパをカラダで起こそうとする幼女のお話。テイストも明るく、読み手をまずは安心させる意味でのツカミとしては上々。
『団地の子』(18頁)
ご近所お兄ちゃんから勝手に拝借した官能小説への好奇心からはじまる幼女の性への渇望と、恐怖心と、痛みと、行為のさなかに芽生えてくる、はじめて知った感情と、性愛の歓びを知るトキメキドラマは、はたしてこれがデビュー2作目なのかと疑いたくなるくらい、唯一不用意な断面図を除けば余分なコマがひとつもない完璧さで、表情の移ろいで心情を語りきり、効果的に台詞を配置し、ラストまで抜群のコマ展開で魅せきる手腕がミゴトすぎました。最後のコマのネームは無かった方が、らしかったんじゃないかと個人的には思いますけど。
『まどのゆき~ほたるのひかり』(26頁)
哲学の身勝手な解釈で少女を調律する教師のお話は、デビュー作にして『LO持ち込み大賞初代受賞作品』な『まどのゆき』という10頁ショートに、その後結末をつける形で発表された『ほたるのひかり』までなのですが、短い頁のなかでもきっちり自己主張している少女のきらめきと、テーマからのプロットに澱みがないところが新人離れしていて「凄いな」と感じる反面、『町田ひらく』の亜流的な要素も多く感じ取れてしまい、まあ、そのときは『期待の新人』程度の意識しかなかったのですが、その後何度も読み返すにつけ、『町田ひらく』というよりも『雨蘭』に近い感覚をもっておられる方だな、と思い直すようになりましたが、そりゃそうだよな、もともとロリコン漫画なんてすべては町田ひらくからはじまってる(それこそも固定観念ではあります)ようなものだし、と自身にある固定観念を取り払って冷静に考えれば、町田ひらくはたとえ幻想譚を描いてもリアルをきっちり残す方だし、この作品がリアルではあり得ないファンタジーとして描かれてることを思えば「何でそんな風に感じてしまったのか」ということこそが大いなる疑問でもあるのですが、このリアルとファンタジーの強く鬩ぎ合った作風こそが『雨がっぱ少女群』なのかもしれないと、思い巡らす今日この頃。
『雨がっぱ少女群』(20頁)
その部屋には、雲をとびこえ青空を泳いでいる渡り鳥の写真が飾ってあります。
雨降りのお外を眺めて少女は「とらわれのお姫様!」
無邪気に語る少女にもう一人が子が容赦なく「そう言っていつもユウナは後で泣くんだ」
はたしてリーダー格のオンナノコが連れてきた客たちと、有刺鉄線を張り巡らされた廃屋の、剥き出しのマットレスで、生きるために闘う少女たちの、自立心こそを描いた作品なのですが、彼女たちの想いや焦がれを打ち砕かんと、敵も然る者で、あの手この手を使いまくりオトナ社会の汚さを教えまくります。
無邪気に望んだものをことごとく破壊されてゆく少女たちのキモチを詰めこんで物語は胸に染み入るラストまで、一目散に脇目もふらず、ただただひた走ります。
成コミってホントに素晴らしいですね。と、心から思える想いのドラマがここにはあります。
アナタノはあとニハナニガノコリマシタカ。
『パラダイス・ロスト』(20頁)
13歳の女生徒とロリコンな美術の先生の、シリアス純愛ドラマです。
巻頭から甘ったるさでトバシマクリ、そして少女に初潮が訪れます。
ロリコンが求めた永遠の少女はオトナへと羽化してしまったのでした。
2頁に渡るイメージシーンが素晴らしすぎて、まるで海野螢の生まれ変わりかと思ってしまいました。
ラストのオチまでもう非の打ち所がない完全無欠で、思わずため息。
アナタノはあとニハナニガノコリマシタカ。
『ウオノココロ』(20頁)
目に視えない金魚という自己暗示が理性の箍を外す二重人格少女のお話です。
あるいは
モラルやジェンダーに束縛されて思い通りにならないキモチを、もう一人の自分として捉えたイメージとしての奇譚みたいな、たぶんそんな物語です。
冒頭、廃バスの中でエロエロに乱れる幼女のシーンから物語ははじまります。
ランドセル眼鏡な幼女のまわりを、物心ついた頃から一匹の金魚が憑きまとっています。
大学生カレシラブな彼女の普段着はハニカミ屋さん。
ところが金魚が彼女の頭にチャポンとダイブするとどうでしょう
あらあら不思議あら不思議
パブロフの犬なエロエロ星人に早変わり。
そんな彼女を傍目から、ちょっぴり侮蔑まじりな羨望の眼差しで見つめてるもうひとりの彼女。
わずかデビュー3作目にして、鬼才『雨がっぱ少女群』の、その類い希なる想像力の調理法に私がベタ惚れした瞬間でした。
基本、ターメリック:クミン:コリアンダーの黄金律により導き出されるはずの極上カリーのベースが、法則など完璧に無視したところからデタラメに投入しまくった17種スパイスのホーホケキョーなオシリ曼荼羅で、あたかも偶然の産物みたいにストンと自然界に産み出されたような、運命係数というかラプラスの魔というか路傍の石というか…
ちょっと黒田硫黄的にステキでした。
アナタノはあとニハナニガノコリマシタカ。
『お兄ちゃんてば!』(20頁)
少女とお兄ちゃんのはじめてのトキメキえっちなドラマをシリアスと漫画チックを交互に出し入れしながら巧みに仕上げた逸品です。技巧派としての上手さが光ります。想いのドラマとしても抜群のデキです。とてもオバカチックななのに、心情描写のリアルはきっちり残せていて唸るしかなかったです。パートナーとしての兄の役割も抜群で、『ヘンタイ』というキーワードを極上のスパイスレベルに変換する技が冴え渡ります。
アッパレ♪×2
『やわらかき反抗』(22頁)
妻と離婚して半年になるパパは仕事が忙しくて娘となかなか顔を合わせる機会もなく、やっとこさコミュニケーションできると思ったら、いつの間にか娘はどこか素っ気なくなっていて、ちょっぴり寂しさを味わいながら煙草に火を点けます。
ここからの切り崩し方が雨がっぱ少女群の魅力。
父にかまってもらいたい少女なりのレジスタンスを抜群のギミックで切り落とし、心情描写でだけで漫画1本組み立ててしまうところが素晴らしすぎます。
でも、著者にしてはえっちのときの少女の淫語がファンタジーすぎて、漫画チックな『お兄ちゃんてば!』いじょうにリアリティーは薄くなってしまって、ちょっと残念ではありました。
えっちシーンは、構図的にもコマ展開的にもとってもステキに流れてゆくのに、せっかくの熱い抱擁空間な想いのドラマが、パパの着エロによって稀釈されているのが何とももどかしいのですが…
『人間以下物語 私はスーパーメイドロボ!』(20頁)
想いを胸に、何時までも妻として待ち続ける少女型ロボットのお話です。
セツナク、ホロニガク、透明に限りなく近い想いのドラマに胸をやられました。
泣きたくなるほど美味しいご馳走。
アナタノはあとニハナニガノコリマシタカ。
『ソラを渡る円環』(24頁)
動いてる観覧車を見たかった、そんな、東京を夢みる少女の、小さな躓きと、大きな一歩の物語です。
たぶんそれいじょうの解説は不要でしょう。
見開き×2に詰めこんだ少女の心情が、私にとっては、死にたくなるほど美味しいご馳走でした。
このお話づくりのリズムって、とても雨蘭的な気がするのは私だけでしょうか。
アナタノはあとニハナニガノコリマシタカ。
偉大なる伝説への挑戦としての迷走期。あるいは桃の時代(その1)。雨がっぱ少女群『あったかく、して。』 TENMA COMICS LO 茜新社 ISBN978-4-86349-022-2 2008年9月19発売
消し:透過度50%程度の極小から中細網線消し中心。
ヒロイン:ギミックとしてのハイミドルティーン1名除けば幼女から少女まで。
お相手:全員オトナ(兄2名・父2名含む)
乳:つるぺたから貧乳まで。
陰毛:無し
性器形状:男女ともにリアル。
挿入描写:1冊目よりは迫力アップも水準程度。
射精形態:口内3シーン除けばオール膣内。
カラミの手法:萌えエロ手法とぶつかり愛で7:3くらいに移行、男性陣はチャック開けるだけ・ズボンは下ろすで2分割。裸同士のぶつかり愛は皆無となり、より萌えエロに傾倒しているのが見てとれます。
萌フェチ:衣装やアクセのさり気ない気配りによるコドモっぽさの演出が抜群にロリコン向きだった1冊目から大きく変化し、二次元萌え的コスへと移行します。
軽フェチ:フェラチオ・イラマチオ・緊縛・放尿などをはじめ、フェチっ気はほとんど感じられない、所謂、ノーマルセックスこそが、リアルロリコン御用達本としての最大の売りだった部分は完膚無きまでに消滅し、標準的なLO路線のなかに収束しました。
濃フェチ:リアリティーのある少女姦というところでの濃フェチ成分は『家庭菜園』を除けば壊滅しています。
高次元フェチ:父娘・兄妹
性行為の属性:オーソドックスタイプのロリコン主義から少女フェチ萌え派への転換期
乙女の符号:無し
ハードコア度:★3の中
ぶつかり愛:★3の中
想いのエロース:★4の中
エロ作画力:★4の中
エロ作画技法:★3の上
エロのコマ展開力:★4の中
総合エロ度:★3の下
作画力:★5
キャラデの魅力:★5
心情描写力:★5
漫画展開力:★5
漫画のコマ展開力:★5
総合漫画力:★5
属性:あるときはメタファーで あるときはリアルで 紡がれる 徹頭徹尾ロリータコンプレックス
作品評価:89点(★4の特上)
宝物度:宇宙
2冊目の成コミ(通算も2冊目)
『パジャマパーティー第1話~第3話』(60頁)
冒頭、主治医の必死の励ましにもかかわすず、カレシへの真っ直ぐな想いだけ遺していきなりヒロインな少女は逝ってしまいます。
そして次の瞬間、2頁目で大股開きマンコを魅せつけ「せっくすしよ♪」っとおねだりする幽霊少女として復活するのです。
甘ったるさとキュンキュンを目一杯詰めこんで、ヤサシサいっぱいに第1幕が終わり、
はたして幻想譚の中でもエロ漫画でいちばん感情移入が難しくなる類である、この難しいモチーフである幽霊物語を奇才がどう料理していくのか私は興味津々だったのですが、2話でいきなり別ヒロインを登場させ起承部を極端にはしょり転に移行してしまった時点で危惧していたとおり、感動もきっちり演出してるとはいえ、ワンアイデアだけでこうもあっさり完結してしまうと、ちょっぴり肩すかしでありました。まあ、それは鬼才の作品にしては、というレベルでの『がっかり』なのですが、『想いが消えれば霊も消える』というアイデアを目一杯活かしたステキなファンタジードラマであることは紛れもない事実です。小さな胸に秘めた大きな想いゆえ成仏できなかった少女心を、心機一転、萌えとフェチのエッセンスを多量にまぶして挑んだ、初連載作品でとしたが、第2話で登場する車椅子少女なセカンドヒロインにしても、ロリータコンプレックスいぜんに符号としてのアイテム化されすぎちゃったかな、と、個人的には感じました。
『太古の森』(24頁)
死に魅入られた青年と少女がビルの屋上で邂逅する死に急ぐ者たちのドラマは、リアルをベースにイメージ化させたファンタジーが抜群すぎて、もはやロリエロ漫画という枠には収められない名作漫画レベルです。
私自身の裡なる漫画読みとしての血が思いっきり滾った一編。
アナタノはあとニハナニガノコリマシタカ。
『小鳥の縛り』(20頁)
緊縛Sな姉へのヤキモチで、アブノなエログッズまで持参して、大好きな青年とピクニックな少女の、アツアツドキドキ緊縛初体験物語です。オチャメで萌え萌えでアブノでフェチでキュンキュンです♪
『AWAKE』(24頁)
セックスが怖くて、大好きな兄との性行為に踏み込みきれない少女が、兄の親友な女友達の粋な計らいににより、幸せのハードルを跳び越えるお話なのですが、二重構成なテーマの分散こそが、すでに自らのPNに対する裏切り行為で、ハイミドルティーンである第2のヒロインこそが主役を食ってしまうという、ロリコンものとは到底言えない作品になってしまいました。当然大減点の要因ですが、個人的には節操のない雑食派なので、実は無問題なのですが。
『真夜中の妹』(カラー4頁含む20頁)
オバケを怖がる少女な妹が大好きな兄から勇気をもらうお話で、テーマもステキに昇華された、味のある幻想譚なのですが、1冊目の『ウオノココロ』『パラダイス・ロスト』の物語世界の膨らみに比べると若干物足りなくもあり、印象的なラストシーンから発展してゆく展開こそを見たかっというのが本音です。これもやっぱりカラーだからと、えっちシーンを巻頭に回した事による弊害で、残り16頁でエロと物語を分厚く組み立てるには無理がありすぎたという、とても単純なミステイク。どうしてもえっちシーンをカラーにしたいなら物語の冒頭にこだわる必要はないと思うのですがどうでしょう。
『家庭菜園』(20頁)
丹誠込めて育てあげたランドセル少女な娘を収穫し、意のままに扱おうとする父と、行為の意味するところを知ってしまう娘の、それぞれの想いのドラマなのですが、まさに著者の真骨頂といえる、不協和音な最終頁こそがリアルロリコン主義者には最大の美味である反面、リアル派の方以外ならドン引きになる可能性も大でしょう。私の裡なるロリコン魂が猛り狂った必殺の一撃。
アナタノはあとニハナニガノコリマシタカ。
『夕蝉のささやき』(24頁)
母に愛されず、思いを遂げられぬまま最愛の父は逝きはてて、十になってやっと、念願かなって秘密の儀式に耐えられる性徴を見るに至り、見果てぬ夢を自らの手首が撒き散らす大量の血涙で汚しなから渾身の祈りで魔法陣に托す、少女の、最初で最後の幸せな微睡みのドラマです。
狂気で行き止まりな愛のカタチは身震いするほど凄まじく、殺意と相反するお茶目な寝顔に戦慄さえ覚えた私です。
私の根底に巣くうトラウマレベルのカウンターカルチャー嗜好がアンファンテリブルな暗黒奇譚と共鳴しまくる、極私的大宇宙。
アナタノはあとニハナニガノコリマシタカ。
裏表紙の方が、雨がっぱ少女群の内面世界がより伝えてくれていると個人的には思うのですがどうでしょう。
また、1・2冊目ともにカバー内が思いっきりステキであると叫びたい私です。
2冊目のカラーイラスト4頁も滅茶ステキですよ♪
また、1・2冊目の後書きの、思いっきり謙ったスタイルは、自分のアイデンティティーに完璧な自身をもつ種の人間にのみ許された技法ですが、その揺るぎない自信ゆえに、需要と作風との鬩ぎ合いで、さぞや苦悩も消耗も激しいことと思われますが、要求される縛りのなかで最大限自分らしさを読者に提示できれば、いまは、それで充分なんじゃないかな、と、個人的には思います。
大砲キャノンや坂井大蔵なら「甘えるな!」と叱りつけるところなのでしょうが、まずは描くことを楽しんでくだされば、それだけで幸い。
月イチで3・4日間程度の旅に出るのも好いデスヨ。
タイセツなコトと真正面から向き合いつづけていると、逆に、本質が見えなくなってしまうことが多いので、ときには何もかも忘却してしまうことも重要だと思うのです。
いずれにしても1冊目と2冊目ではエロ表現形態は別物ですので、それをふまえたたうえで皆様方の購入の指標にしていただければ幸いです。
個人的にはカタルシスの大幅な低下と、完成度の激烈に高いオーソドックススタイルなロリコン御用達系エロ漫画が、またひとつ失われてしまったことへの悲しさで2冊目への評価を下げましたが、
どちらの作品集も、雨がっぱ少女群の、血で出来ているということだけは紛れもない事実。
さきほどの自分らしからぬ思いやりのある提言とは相反して、ちょっとアレなのですが
思いっきり描きまくりやがれ!です。
それこそ描いて描いて描いて描きまくって、
LOに限らず2誌でも3誌でもかけもちして、
無我夢中でも必死こいてるうちに、作風なんてイヤでも自然に出来上がっちゃうんだし、たくさん描いてればそのうち好き放題やれる幸運に巡り会える可能性だって増えてくるかもだし、
とりあえず作品の完成度なんてどうでもいいですから、
要求される範囲内での自由度のなかで出来うる限りのワガママさを以て、卓越したアイデンティティーを世間に知らしめるために、爆裂邁進しやがれ!なのです。
たとえ雨がっぱ少女群が三十路の貧乳ねーちゃんを描いても個人的になら無問題ですし。
どんな魔法でも唱えられるその自在力こそがATフィールドな諸刃の剣となり得るとしてもそれは、凄まじすぎる才能をもつ者のみに許された、偉大なる特権的苦悩です。完璧に支離滅裂な文章になってしまって、誠にお見苦しいところを披露してしまいましたが、ともあれ、
賢者の杖は振りかざしてナンボ雨がっぱ少女群は世界にひとりしかいない希有な才能をもった作家のひとりであるということを、もしご理解いただけた方がお一人でもおられましたら、あながち私のオナニーも無駄ではなかったかな、と思う次第。
もし雨がっぱ少女群に欠点があるとするなら、唯一のそれは、あまりにも魂が高みにありすぎるため、読者にわかりやすい物語を紡ぐためには、多少譲歩して平地に近づかなくてはならない、ということくらいしか思い浮かばない私ですが。
雨がっぱ少女群が一切の手加減無しで書き殴った作品を、一度でも拝んでから冥土に旅立ちたいというのが本音ではありますが、ファンあっての作家活動なので、贅沢は申しません。
まあ、こんなカンジで盲愛する作家様に向かってワガママに思いの丈を叫ぶことにより、書くという行為がもたらす過程で派生する、考察やら考察やら再考察やらのうちに発見する、あらたなトキメキを得たいがばかりに、こんな自慰行為にも似たご紹介を繰り返させていただいてる私ではありますが、
『冗談は人生だけにしておこう』
がモットーな五十郎の想いがちっとでも伝わりましたら、さらにシアワセ。
まあ、書くこと自体でもうすでに目的は達成されているのですがね
ダメじゃん、それじゃ(爆)
天然純粋炭素鉱物の角が丸く削られるのは胸がイタイというのが本音ではありますが、さらなる加工が輝きの中心部まで削り取らない限りに於いては、あらたに別種のサプライズが産まれてくるんじゃないかな、とか思ったりもしています。
ともあれ、3冊目の単行本も滅茶苦茶けなしたいと思ってますので、一刻も早く出してくださいませ。
雨がっぱ少女群が刺さる類の御仁っていうのは、その方がすでにもっている感受性の受け皿の種類次第ってところが大きいと思われますので、一概には言えませんが、日々消費される多くのエロ漫画の中で、確実に誰かの本棚の上段にて、燦然と光り輝いている宝物でありつづける、そんな作家様ではあります。
最後に、いちばん大好きなロリエロ作家は未だにダントツで『みかんR』なのですが、こと『刺さる』っていう意味だけなら双璧な、『雨がっぱ少女群』をやっとご紹介できてシアワセすぎるワタシ。
関連:
雨がっぱ少女群『あったかく、して。』 by ヘドバンしながらエロ漫画!
少女性愛および“異形としての少女”達の甘く優しい幻想性と鋭利な現実性の両方を巧みな筆致によって描き上げる作品集です。
もう、これだけで作風の9割は紹介済みたいな観察眼が凄いです。
『小指でかきまぜて』──雨がっぱ少女群 by Stack-Style
えろあきちゃん: ラスト付近の、見開きを2回連続させる構成が印象的(だから巻末に持ってきたんだろうな)。たぶんたくさんの人がこのハッタリ構成に騙されるのでありましょう。
ひとつひとつの作品ごとにピンポイントなコメントは毎度お馴染みの素晴らしさなんだけど、これは言い得て妙すぎ♪
『あったかく、して。』──雨がっぱ少女群 by Stack-Style
雨がっぱ少女群は、出てくる女の子はぺったんばかりなのに、人材はある意味尖っている雑誌、COMIC LOの作家陣のなかでも、ひときわ異彩を放つ作家さん。端正な線で紡がれる画風・作風は非常に多面的で、読んでいて不気味さを覚えるほどです。
縛りが多すぎるのは世間の風当たりを考えれば仕方ないことなのかもですが、凄まじい人材を抱えているわりには創刊時よりベクトルが固定されすぎちゃってきてることだけは、ちょっと勿体ないんじゃないかなと、個人的には思います。
雨がっぱ少女群のエロマンガ少女は、夕暮れの中から視線を向ける。 by たまごまごごはん
雨がっぱ少女群先生の作品に出てくる男はロクデナシばかりです。しかし彼らは醜悪な容姿をしていません。むしろかっこいいといって差し支えないルックス。
なんてうらやましい!と思いたいところですが、ほら、あくまでも彼の作品は「少女視点」なのです。脆い時間の上をふらふら歩く少女から見た大人の男性は、かっこいいんです。
そして、かっこいいから裏切られる。大人の男性も、手を伸ばして少女の一瞬に触れたがる。
そのすれ違いが、やりきれない。
雨がっぱ少女群の作品は、汚い、あるいは都合の良い、あるいは賢しい男性をパートナーとしてあてがうことによって、少女たちの健気さこそを読者に魅せつけようとしている、ということを簡潔かつ完璧に言い表していて、ミゴトすぎ♪
罪無き少女は世界を支配する あったかく、して。/雨がっぱ少女群 by sasamanga
一見すると、男性側が主導権を握る性行為が殆どでありつつも、男たちを動かしているのは少女であるという現実。少女たちは驕らない。時には不安で涙を流す。しかしそんな脆そうな少女たちはどんな不安定な立場にあっても、その潤んだ瞳とか細い肢体で男たちを常に支配している。それ程の魅力と魔力。これぞ少女愛の窮みだと私は思うのです。今はそれをここまで描き出してくれた雨がっぱ先生に感謝したい気持ちでいっぱいです。
少女を語るうえで絶対に無視することはできない、物語の中でヒロインが輝くためにアイテム化される必要性がある男性の存在意義を的確に語り尽くしてくださってます♪
雨がっぱ少女群「あったかく、して」 by いえろー☆まじっく
正直に言いますと雨がっぱ先生自体に萌えてる俺。
なんちゅーかね、すごい真面目なロリコンなんですよ。
ちゃんと人生に真正面からぶつかってる感じでね、
逃避は負けじゃないよ。テクニックだよ! とか絶対言わない。
応援したくなるキャラクターなんですわ。
……これ、キャラ作り(演技)だったらすごい。
ガチ萌えロリ派としての切り口がとても参考になります。
でも私は萌えロリが嫌いなんじゃなくて、ちまたに溢れかえっている萌えと絶滅寸前なリアルのバランスの悪さを悲観してるだけなのです。それは何もリアルロリコン系に限らず、ほぼ死滅状態な『猟奇』や『スカ』や『ノンセックス』ものなども含めたところでの危惧なのですが。
[漫画]成年コミックの超超新星、雨がっぱ少女群の初単行本 by Nyao's Funtime!!
自分はこの人の作品が好きすぎる。
『あったかく、して。』のnyao様のレビューを首を長くして待ってるワタシ。
雨がっぱ少女群先生を励ますLOスレ住人 by えろまんがとぴっくす
多くの住人に心配されている方です。
ご紹にあずかり光栄です♪
そこに添付されたコメントより
こんなに業の深い漫画を描く人がそう簡単に断筆できないのではと思うからです。
私も半分はブラフだと思っております。というより、そう思いたいだけなのかもしれませんが。客観論で言わせてもらうと、描けないワケがないのです。デビュー以来、あれだけのペースで描きながら、どの作品も私のようなパンピーには到底思いつかないレベルのアイデアの集合体であり、かつ、そのアイデアを高次元なとこにあるドラマとして、唸るしかないレベルの完成度で仕上げてしまうということを、平然とやってのけてしまったお方ですから。桁外れの感性だけでも人間国宝ですが、想像力と構築力は、さらに計測不能レベルでしょう。ただ、本当の意味で、自分が描きたいと思ってるものを求められていないと感じたときには、けっこうあっさりと転職しちゃいそうに思えて…。実は私も、かの落書きコメントを拝見してから、すごく心配、というよりたぶん怖くて、それでこんなのを書いちゃったのですが、たしかにもの凄く業の深い漫画ではありますが、一般漫画でも小説でも瞬時に転向できるだけの才能は、持て余すほどの含有量なんじゃないかな、と。まあ、そうなったらそうなったで仕方ない気もしますが、私は雨がっぱ少女群の描くエロ漫画が好きすぎるので…。
それこそ僭越な物言いですし、忌憚なきところは私の業でもありますが…。
ともあれ、取り越し苦労であってくれればと。
成年コミックとかエロメイン by 調布の危険物
コミックLO 12月号
雨がっぱ少女群が居ない。
ほかにもステキなコメントがたくさんあるのですが記事が分散してますので敢えてこれを(爆)
theme : 成年コミック・マンガ
genre : アダルト